急性骨髄性白血病(きゅうせいこつずいせいはっけつびょう、英 acute myelogenous leukemia, AML)とは、白血病の一種で、骨髄系の造血幹細胞が腫瘍化し、分化・成熟能を失う疾患。分化・成熟能を失った細胞は幼若なままの形態をとることから、芽球と呼ばれる。
病型分類
骨髄の中には造血幹細胞から種々の血球に分化していく途中の細胞があり、それらの内のどの段階の細胞が腫瘍化したかによるFAB分類 (French-American-British criteria) に基づいてM0-M7の病型、およびそれらの亜型に分類される。
腫瘍細胞の形態を重視し、それに細胞化学染色(ペルオキシダーゼ染色等)を組み合わせて判断する。近年は細胞表面マーカーも診断に用いられるようになっているが、あくまで補助的なものと考えるべきである。
M0 微分化型骨髄性白血病
分化成熟傾向がなく、ペルオキシダーゼ染色検査は陰性(3%未満)だが、電子顕微鏡ペルオキシダーゼ染色では陽性あるいはCD33、CD13の骨髄性マーカー陽性となる。
M1 未分化型骨髄芽球性白血病
成熟傾向がない骨髄芽球性であり、骨髄ペルオキシダーゼ染色の陽性芽球が3%以上である。芽球は赤芽球以外の細胞の90%以上を占める。芽球は赤芽球以外が90%以上を占める。
M2 分化型骨髄芽球性白血病
成熟傾向がある骨髄芽球性であり、骨髄において骨髄芽球と前骨髄芽球
の割合が50%以上である。t(8;21)(q22;q22) AML1/ETO融合遺伝子が特徴的である。ペルオキシダーゼ染色陽性で、アウエル小体を認めることが多く、分葉核球まで分化した異常好中球にもアウエル小体を認めることがある。
AMLの中では最も頻度が高く、しかも一般に予後が良いグループである。特に染色体検査でt(8;21)転座を持つタイプでは予後が良いとされる。
M3 前骨髄球性白血病
急性前骨髄球性白血病
(APL)として区別される。大部分が異形成の強い前骨髄球である。t(15;17)(q22;q12) PML/RARα融合遺伝子が特徴的である。アウエル小体とそれが束になったファゴット細胞が特徴的である。
AMLの中で予後が最も良いグループで、レチノイン酸を用いた分化誘導治療を受けることで80%の患者が治癒するとされる。
M5 単球性白血病
急性単球性白血病(AMoL)ともいわれる。分化型と未分化型に細分化される。血中、尿中のリゾチーム活性が増加すること、白血病細胞に核の切れ込むがあり、皮疹、歯肉腫脹が起こりやすいということ以外他のAMLとの差は特にない。M5a(未分化型)では単球系の80%以上が単芽球で、M5b(分化型)では分化傾向がみられるという細分類もある。CD13、CD33、CD14が陽性でありNaFに阻害される非特異的エステラーゼ染色陽性である。
M6 赤白血病
赤白血病ともいう。赤芽球系細胞が50%以上で巨赤芽球細胞の異形成などがみられる。赤芽球が区別しにくい時はPAS染色を行うとわかりやすい。骨髄芽球が赤芽球以外の30%以上ある場合はM6として、30%未満である場合は骨髄異形成症候群として区別している。
M7 巨核球性白血病
急性巨核芽球性白血病ともいう。L2との鑑別で問題となる。電顕で血小板ペルオキシダーゼ染色を行ったり、CD41といった表面抗原で区別する。
近年では、血液腫瘍疾患における病態生理の分子レベルでの解明に従い、分類の再構成が試されてきた。その結果、2000年にはWHO分類
が発表された。
